プル、時々カマ江と飼い主のアルバム。

画像加工したりのんびりやってます。猫のプルミエール♀と保護カマキリのカマ江と大腸がん寛解を目指すおとうさんと飼い主のアルバム。

扁平上皮癌という病気。

今日は実際に私が看取った猫の病気の話。

そして、症状の写真はないけど内容がグロい。

 

自壊の様子の画像付きの記事をアップしました。

purukama.hatenablog.com

 



 

その為、苦手であれば記事を読まないことを推奨です。

 

2011年9月5日。

 

わが家のネコが扁平上皮癌という病気で体を空に返した。

 

私が見送った複数の猫の中で最も強烈な病気だった。

 

扁平上皮癌というのは、簡単に書くと顔面が崩壊していく浸潤性の顔の周囲に出来るガン。

 

この病名を伝えられたら、残された時間はそんなにない。

安楽死すら考える病気。

www.anicom-sompo.co.jp

 

 

始まりは旅立つ3週間前に「歯周病」という診断を受けたこと。

(後に歯周病では無いと判明)

 

はなという猫から膿のようなにおいがした。

よく見ると、右側のほっぺに本当に小さな穴が開いていた。

爪楊枝の先端で突っついたくらいの感じ。

においはその穴からしていた。

 

私が立ち作業をしている足元をはなが通過すると、プーンと膿のにおいがするくらいの状態。おそらく誰でも気が付く。

 

当時のはなの年齢を覚えていないが、14歳とかそれ以上の老猫だった。

性別はメスで、大きな病歴は無し。ベランダに出て紫外線を浴びる習慣はなかった。

 

年齢から考えて、麻酔をかけて行うような治療は選択できなかった。

 

白い猫に多いというが、はなは白黒のネコ。

穴が開いていたのは向かって左側の黒いところ(奥歯辺り)

f:id:puru3919:20200113222308j:plain

f:id:puru3919:20200117055704j:plain

 

結局、歯周病ではなかったから治るわけもなく、膿のような悪臭を放ったまま、最初に空いた小さな穴がどんどん広がり、右側の顔が崩れ始めた。

 

その様を見た先生が、「これは扁平上皮癌ですね。」と言った。

 

この病気を検索すると、この症状は「自壊」と呼ばれていた。

 

ガンの場所が目に近いのでレーザーは出来ない。

麻酔を掛けて摘出することもできない。

化学療法はあまり効果が出ない。

 

なす術がなかった。

 

すぐにその日からネットで検索をかけた。

顔面崩壊した猫のブログを読み漁った。

正直、「ここまでじゃないでしょ。」って心の中で思った。

まだ他人事。

 

進行が速いのか、日々どんどん進んでいく。

 

そんなに顔が崩れても何故か食欲はあった。

食べてはいたから、臭くて顔が変なだけで元気だった。

 

崩壊は止められないまま、崩壊し続けてる顔を消毒しながら毎日が過ぎた。

 

夫は途中からちょっとビビっていた。

 

当たり前だと思う。

臭くて顔の半分がドロドロの猫に何も感じない方がおかしい。

私だって一生懸命ふつうにしていたけど、何も感じていないわけではなかった。

なかなか強烈なビジュアルだった。

 

うちの場合は顔の右側半分がゾンビのようになった。

途中からは上あごの骨が見えるほどになった。

 

鼻を中心に壊れていく猫、あごを中心に壊れていく猫、壊れ方は少しずつ違う。

でも必ず壊れていくことは一緒。

 

歯周病と言われた日から2週間くらい経った頃、急に食べられなくなってきた。

ガンが他に悪さをしたのかもしれない。

 

最後まで食べていたものがあった。

 

それは人間のおつまみのさきいか

 

こんなもの本当は絶対に与えてはいけないもの。

 

でも、何も食べないよりはという先生の苦渋の決断。

 

最後まで小さく切ったイカを食べて生き延びていた。

 

最後は何の抵抗もなく爪を切ることが出来るまでに体力を奪われていた。

正直、臭くて顔も半分ほとんど崩れて怖かったけど、それでも可愛かった。

今でも可愛い。

 

朝の9時ごろに息をひきとった。

8時半くらいからは心音が弱くなった。

はなのお腹に耳をあてて臓器の動く音を聞いていた。

だんだんと一つ一つが動きを止めていくようなイメージだった。

最後までトクトク・・・と音をさせていた心臓もだんだんとその動きを止めた。

 

火葬するとき、崩れた顔に包帯を巻いてイカを胸に抱かせた。

火葬場の人が、「布は骨にくっついちゃうので・・・。」と言ってきたが、私は首を振って拒んだ。

 

だって、そんな顔見たら引くでしょ?

私ならギョッとする。

それが普通の反応。

 

でも、頑張って戦ったかっこよくて強くて可愛いはなを、最後にそんな目で見られるのは嫌だった。

 

ここまで3週間。

すごく長く感じたけど、実際には駆け足で逝ってしまった。

 

 

もし、最初から扁平上皮癌とわかっていても食い止めることはできなかった。

最後の日はおそらく一緒か、そんなにずれ込むことなどなかったと思う。

 

ただ、「歯周病」と「ガン」では飼い主の気持ちはまるで違う。

 

そのことで夫はいら立っていた。

 

「何で歯周病がいきなりガンなの?」みたいなことを言ってきた。

 

私は何て答えたんだろう?あんまり覚えていない。

「仕方ないよ・・・。」くらいのことはつぶやいたと思う。

 

私が看取った中で強烈な旅立ちだった。

 

先生が誤診だったのか、仕方のないことだったのかはわからない。

でも、その病院はそれ以降行ってない。

 

ちょっと長くて重たい話になったけど、自分が看てきた猫のことを書いてみた。

 

なかなか強烈な病気の話だけど、間違いなく存在する病気。

こういう病気もあるよって話をしたかった。

 

猫は可愛いだけではない。

映えるばかりじゃない。

病気にもなる。

臭くて汚い時もある。

 

全部を愛せるのなら飼おう。